財務の分析は会計事務所というプロに頼ってみよう

「財務分析の業務フローを見直したい……」。といっても、数ある部署のなかでも経理という部署は他者との交流もなく、情報が入りにくい部署。財務の内容は社内といえども公開する内容ではないため、よりよい分析の仕方に関して、なかなかアイデアも湧きにくいものです。そこで、会計事務所というプロに相談するという手段を考えてみましょう。

会計事務所はどんな仕事を依頼できるの?

会計事務所がどんな業務をしているのかは、町の病院をイメージしたらわかりやすいでしょう。先生によって得意不得意な専門が多少あるものの、一通りの困っていることを聞いて適切な処置を提案してくれます。依頼できる仕事は、技能レベルの簡単な順にみていくと次のようになります。

記帳代行

領収書や通帳のコピー、請求書契約書類、給与明細など財務諸表作成に必要な会計資料を預けて会計データの作成をしてもらう仕事です。依頼者は書類を集めればいいので、簿記などわからなくてもすべて任せることができます。

会計データチェック

会計ソフトに入力できる担当者がいる場合、入力データのチェックと指導をしてもらいながら、随時財務に関する相談ができます。入力したデータが手元にあるため、試算表などは必要な時に自分で出力でき、月次データも自分主導でタイムリーに進められます。

決算申告

決算申告書は月々の会計データの集大成になる財務諸表です。ここが一番頼みたい、専門家の出番というところです。財務諸表のほか法人税などから消費税と一連の申告書類を作成してもらうことができます。また、周辺業務として、以下の書類作成を伴う手続事務関係も一括して依頼できます。

年末調整、法定調書、償却資産申告、各種届出

税務署や市区町村へ提出する書類が多数あります。

中小企業会計指針のチェックリストなど

金融機関の融資に必要なチェックリストなど資格者のサインが必要な財務書類の作成が依頼できます。

経営相談

財務分析の業務フローや分析の仕方など、会計データがあるからこそ可能です。

会計事務所に依頼するメリットとは

会計事務所に依頼すると、財務関連事務作業を丸投げできるメリットは大きいでしょう。財務部門を組織として作ることは、間接業務で利益を生まないと思われているため、ある程度の企業規模にならないと設置が難しいものです。

経理総務、さらに営業事務もあわせた担当で内勤の社員を入れるケースもありますが、マンパワーに頼ってしまうため退職した後の引継ぎにも苦労します。この辺りのつなぎ役としても会計事務所をワンクッションおいておくと安心です。会計事務所に難しい財務処理は指導をうけつつ、ルーティンワークは社内で行えば能力の偏りがなく、業務の流れもスムーズで経営的にもリーズナブルな方法です。財務の分析など日頃データのやりとりをして経営状態をみてもらっていれば、今後の展望や危険な状態になっているかのアドバイスがもらえます。財務関係の中立的な相談を受けられる機関としては、適した立場の専門家として会計事務所への相談は依頼者のニーズにあっています。

まとめ

「わからないことは聞けばいいだろう」「書類もなくしてしまっても、再度お願いすれば発行してくれるだろう」「控えをとっておいてくれているだろう」と、なんでも屋になりがちな会計事務所の仕事ですが、お互い良い関係を保っていくためには、経営者側も基礎的な財務諸表を見られるようになって、会話が成り立つようになることが重要です。

財務分析や利益のことだけでなく、資金繰りや業務の見直し、社内の相談などコミュニケーションをとる場面が多くあります。相談しやすい、気が合う会計事務所との付き合いは経営上とても重要な要素になるでしょう。

文:植野正子(税理士)

参考:

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