マイナンバー取得時に、どんなトラブルが起こるか?

マイナンバーは個人宛に通知されるので、企業は社員からマイナンバーを提供してもらう必要があります。ここでは、企業が社員からマイナンバーを取得するために何をしなければならないのか、どのようなトラブルが想定されるかについて説明します。

社員からマイナンバーを取得するために行うこと

番号を伝えるのに、確認書類だ、パスワードだ、ってなぜこんなにうるさいの?

それは、マイナンバーがそれだけで個人を特定できる究極の個人情報だからです。マイナンバーカードに記載されるのは、個人番号のほか、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真です。

これだけの個人情報にリンクしたマイナンバーですから、万が一にも間違いがあってはいけないのです。

企業が社員からマイナンバーという個人情報を取得する場合には、利用目的を明示するとともに、なりすましを防止するため、所定の方法で本人確認を行うことが必要です。

それでは、利用目的と本人確認についてみていきましょう。

利用目的の明示

マイナンバーの利用範囲は、社会保障・税・災害対策の3分野に限られています。企業が取得する場合は、主に社会保障(年金、労働、福祉など)分野と税分野でしょう。

自社の事業形態、福利厚生制度などにより取り扱い事務は異なりますので、必要な項目を確認しましょう。例えば、「源泉徴収事務」とか、「健康保険・厚生年金保険届出事務」などですね。

本人確認

正しい番号であることの確認(番号確認)と、手続きを行っている者が番号の正しい持ち主であることの確認(身元確認)を行います。

では、この2つを何で確認するのでしょう。

個人番号カードがある場合

このカードのみで可能です。

個人番号カードがない場合

通知カードまたは番号付の住民票で番号確認を行います。さらに運転免許証やパスポートなどで身元確認を行います。もし、写真のついた証明書類がない場合は、保険証や年金手帳などの2種類以上の書類を提示します。

※個人番号カード(マイナンバーカード)と通知カードは違うものです。

取得の際に想定されるトラブル

次に、ありそうなトラブルについて考えてみましょう。

  • 社員が通知カードを受け取っていない、または、なくしたと言っている

住民票を移していなくて受け取れなかった。または受け取ったはずだけど、なくしてしまった。こんな場合は、原則、本人が自治体の窓口まで行って手続きするしかありません。時間の余裕のない方ほど、通知カードはきちんと保管しておいてください。

  • 社員が番号の提供を拒否している

いかに本人が拒否しても、「なら結構です」とはいきません。そのようなことにならないように、事前に就業規則の改定や、覚書などを取り交わすようにしましょう。

  • 短期バイトだから関係ないと思い、取得しないまま連絡がつかなくなった

短期バイトでも、利用目的に該当する場合は、マイナンバーの取得が必要です。業務開始前に取得できるよう、必要書類を揃えておきましょう。

  • 念のためにもらっておいた

必要な目的以外でマイナンバーを取得してはいけません。念のため、とついでにコピーを取ったり、担当外の部署が保管したりすることのないよう、情報管理態勢を周知しておきましょう。

まとめ

企業が社員のマイナンバーを取得する際は、利用目的を明示するとともに、他人へのなりすましを防ぐために厳格な本人確認を行います。社員の貴重な個人情報が取得時に漏れないよう、十分な注意が必要です。

制度の最初ですから、トラブルを防ぐためには事前の周知がなにより大切です。必要書類のひな型は必ず揃え、その都度ブラッシュアップして、適切な運用を心掛けましょう。

文:川﨑由紀子(税理士)

参考:

マイナンバー社会保障・税番号制度

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