環境税にワンルームマンション税、石油価格調整税。地方の変わった税金とは?

税金は国が決めたものだけでなく、地方自治体が独自に制定した税もあります。地方の知られざる税金をご紹介します。

福岡県太宰府市の歴史と文化の環境税

福岡県太宰府市には、学問の神様として有名な菅原道真公を祭った太宰府天満宮があります。また、奈良・平安時代よりアジアへの窓口として、政庁の建物・寺院・城などの数多くの史跡があります。この地には、合格祈願や観光で訪れた方も多いことでしょう。このような歴史的文化遺産および観光資源の保全と整備を図るための変わった税金が、「歴史と文化の環境税」(以下、「環境税」)です。

環境税を払うのは一時有料駐車場の利用者です。駐車行為1回につき、バイク50円、乗用車100円、マイクロバス300円、大型バス500円の環境税を、駐車料金と一緒に支払います。市民でも、観光客でも、一時有料駐車場を利用すれは課税の対象となります。平成26年度の税収は約7,000万円でした。

東京都豊島区のワンルームマンション税

東京都豊島区の狭小住戸集合住宅税、いわゆる「ワンルームマンション税」は都心部ならではの変わった税金といえます。ワンルームマンション税は、東京23区の中でも単身世帯の割合が高かった豊島区が、住宅ストック(総量)のバランスを是正し、ゆとりある住宅・住環境の実現を目的に、狭小の集合住宅建築を抑制するため設けた税金です。

おそらく、ワンルームマンションをあまり増やしたくないのでしょう。1住戸30㎡未満の狭小住戸を9戸以上有する集合住宅の建築を行う際、その建築主に対し、1戸につき50万円課税します。

平成16年の税施行から25年度までの10年間で約35億円、1年平均で約3.5億円の税収になります。税施行前後を比べると、建築確認実績中ワンルームマンションは、数・割合とも減少しており、効果があったようです。

沖縄県の石油価格調整税

沖縄県には、「石油価格調整税」があります。これも沖縄独特の変わった税金です。沖縄は地理的・歴史的経緯から、税金も特殊なものが多い土地柄です。

ところで、沖縄はガソリンが安いって聞いたことがありませんか? ガソリンにかけられる揮発油税が軽減されているため、独自に石油価格調整税を課税しても、県外よりお安くなるのです。

税金の目的は、離島地域における石油製品の価格の安定と円滑な供給のためです。納税するのは、元売業者で、1リットル当たり1.5円が課税されます。平成26年度の税収実績は、約9.89億円になります。

まとめ

税金には、公共サービスの資金調達のためであったり、何らかの政策を推進するためであったりなど、いろんな目的が反映されています。今回は、太宰府の環境を整える「歴史と文化の環境税」、豊島区の政策を推進する「ワンルームマンション税」、沖縄県の地理的事情に配慮した「石油価格調整税」と、地方の変わった税金をご紹介しました。地域独自の変わった税金は、このほかにもたくさんあります。聞けばなるほど! と思えるものばかり。

税金で特にやっかいなのは、「誰が、どの程度ずつ、どのように負担するか」ということです。地方それぞれの事情により、地元・負担者ともに納得のできる、満足度の高いユニークな税金! あなたも考えてみませんか?

文:川﨑由紀子(税理士)

参考:

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