税制改正で税金のクレジットカード払いが可能に?

最近はいろいろな取引がキャッシュレスになってきました。そんななかでも、税金についてはまだまだ現金決済が多いのが実情です。しかし、この納税環境に変化が生じてきそうです。

そもそも今はどんな支払い方法があるのか?

まず現時点で用意されている納税方法について確認をしてみましょう。

  • 納付書による現金納税

最も一般的な方法です。税務署等から送付されてきた納付書に納税額を記載して、金融機関や税務署等の窓口で納税をします。当然、すべての税目が対応しています。

  • 振替納税

事前に税務署へ金融機関の届け出を出しておくと、指定された期日に自動で税金が引き落とされる仕組みです。個人の所得税や消費税の納税で広く活用されています。ただし、取り扱い可能な税目は限定されています。

  • コンビニ納税

事前に税務署からコンビニ納税用の納付書を発行してもらうことで、コンビニ店舗で納税ができる仕組みです。税額に限度があります。

  • 電子納税

俗にいうネットバンキングに近い感覚で納税ができる方法です。ダイレクト納付・ネットバンクを利用する方法など、いくつかの方法があります。ただし、選択した方法によって取り扱い可能な税目が変わります。

パッと見ると、最後の電子納税が一番便利そうですが、実際には広く普及しているとは言い難い状況です。その理由として、事前の登録が必要である場合が多いことと、e-Taxソフトの操作等においてつまずいてしまう例が絶えないことが挙げられます。

税制改正で税金のクレジットカード払いが可能に

そんななかで、平成28年度税制改正(案)において国税のクレジットカード払いが取り上げられました。一部の地方税ではすでに対応されているサービスですが、国税での導入は初めてのことです。

開始は平成29年1月

現在公表されている情報はまだ少ないのですが、来年頭から制度が開始されるようです。税金の滞納は大きな社会問題となっていますが、決済方法を拡充させることでその解消を図るというねらいもあるようです。

対象税目は限定されない

納付書で納付できる国税が対象とのことなので、すべての税目が取り扱えるようになる予定です。すでに対応している地方税では、まだ税目が限定されていることを考えると、かなり利便性の高い制度といえるかもしれません。

クレジットカードを利用して納税をすれば、納付漏れが少なくなり、またクレジットカードのポイントも貯められます。

このように、メリットが多い税金のクレジットカード払いですが、良いことばかりではないようです。

クレジットカード利用はデメリットもある

まだ未確定な部分もありますが、以下のようなデメリットがありそうです。

手数料は納税者負担

例えばすでにクレジットカード納税ができる東京都税の場合、10,000円の納税につき73円の決済手数料がかかります。仮にクレジットカードのポイントが貯まるとしても、決済手数料のほうが高いようであれば、実質的には負担が増えてしまうことに。

納税証明書の取得に時間がかかるかも?

都税の例でいえば、クレジットカードで納税をすると納税証明書を取得するのに時間がかかります。ですので、大至急納税証明書が必要な場合には不適切な納税方法といえるでしょう。この点については、おそらく国税でも似たようなことになるのではないかと思います。

自分に合った納税方法を選ぶこと

少し調べていただければわかりますが、実は現時点でも納税の方法はかなりの種類があることがわかります。上にも書いた通り、コンビニ納税と電子マネーなどを組み合わせれば、実質的にクレジットカードで納税をしたのと同じような効果を生み出すことも可能です。

ただし、これらの方法を実現するためには時間と手間がかかるのも事実です。今回の税制改正(案)で取り上げられるクレジットカード納税がどれくらい簡単なものになるかはまだわかりませんが、得られるメリットとデメリットについて検討し、自分の納税環境に合った方法を選びたいものですね。

まとめ

納税の方法は、現在でもさまざまな種類があります。いろいろな利点がある方法もありますが、一定の手間暇をかけなければならないものも多く、また税目が限定されていることも。

平成28年度税制改正(案)によると、クレジットカードでの納税が解禁されそうです。利便性は高いようですが、決済手数料などのデメリットもありそうです。いずれにしても、最終的に自分に合った納税方法を選ぶことが大切です。

文:高橋昌也(税理士)

参考:

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