これだけは押さえておきたい!年末調整とマイナンバー

マイナンバー制度が運用されてからはじめての年末。年末調整とマイナンバーの関係をみていきましょう。

年末調整の申告書には何が書かれている?

年末調整に必要な申告書は主に2枚。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(以下、「扶養控除等申告書」)」と「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書(以下、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」)」です。このほかにも、住宅ローン控除がある場合は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」が必要です。これらの書類には、所得税を計算するうえで差し引くことのできる金額(所得控除や税額控除)に関する事項が記載されています。

「扶養控除等申告書」には、配偶者控除、扶養控除、障害者控除などの人的控除に関することが記載されています。また、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」には、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除などの物的控除に関することと、配偶者特別控除を算定するための配偶者の所得の明細を記載することになっています。

これらの申告書を基に年末調整が行われ、年税額が確定し、源泉徴収税額との差額が精算されるのです。

年末調整にマイナンバーが必要な理由

年末調整が済むと、「源泉徴収票」が発行されます。これは、一定の基準で税務署に提出され、同じ内容の「給与支払報告書」が各人の居住地の市区町村に提出されます。そうすると今度は、それを基に住民税の計算が行われます。

さて、マイナンバーの目的の1つは「公平・公正な社会の実現」でしたね。所得の状況が把握しやすくなれば、税負担を不当に免れることを防止することができます。マイナンバーの導入により、所得と税額は個人情報と紐づけされ、捕捉漏れは極めて少なくなるでしょう。

すべて筒抜けなんていい感じはしませんが、正直に納税している大多数のサラリーマンにとっては、従来と同じこと。むしろ、これまでちゃんとしていなかった人たちに税金がかかるようになるでしょう。

マイナンバーの記載が不要なもの

マイナンバー収集後の安全管理措置については、すでに体制が整っているかとは思います。では、年末調整の書類にどこまでマイナンバーの記載が必要なのでしょうか?

まず、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」と「住宅借入金等特別控除申告書」には、マイナンバーを記載する必要はありません。

一方、「扶養控除等申告書」には、給与所得者本人と、控除対象配偶者および控除対象扶養親族等のマイナンバーを記載する必要があります。しかし、通常会社で保管される「扶養控除等申告書」にマイナンバーが記載されると取り扱いが大変です。

そこで、会社の安全管理措置の負担軽減を図るために、「マイナンバーについては給与支払者に提供済みのマイナンバーと相違ない」旨を記載し、提出済みのマイナンバーと確認した旨を表示すれば、マイナンバーを記載しなくても差し支えないとされています。

余白にメモ書きし、確認印を押すといったイメージでしょうか。これは平成28年1月以後に提出する「扶養控除等申告書」についての取り扱いで、平成29年分以降は一定の帳簿を備えている場合には、マイナンバーの記載は不要となります。

なお、会社から従業員に交付される「源泉徴収票」にはマイナンバーを記載しませんが、会社が税務署に提出する「源泉徴収票」と市区町村に提出する「給与支払報告書」にはマイナンバーは記載されます。

まとめ

年末調整に当たってのマイナンバーの取り扱い体制は、会社によりかなり違っていると思われます。また、この分野はクラウドサービスの利用も多いようです。

今年はマイナンバー初年度の年末調整で、担当部署も戸惑っているかもしれません。提出側は、指定された方法での提出に協力してください。会社側は、収集したマイナンバーの保管と利用状況をしっかりと管理しておきましょう。

今年から「扶養控除等申告書」と「源泉徴収票」にはマイナンバーの記載欄が設けられていますが、どのようなときに記載する必要があるのか、いま一度確認しておくとよいでしょう。

文:川﨑由紀子(税理士)

参考:

  • 国税庁|税目別に調べる|源泉所得税|年末調整がよくわかるページ
  • 国税庁|社会保障・税番号制度|<マイナンバー>について|源泉徴収事務・法定調書作成事務におけるマイナンバー制度(PDF)

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