学生さんも要注意!!103万円の壁とは?

配偶者控除の改正について、盛んに報道がされています。一方で、配偶者以外の家族に関する情報はあまり出回っていません。そこで、今回は学生さんがアルバイトをしているときの注意点について確認をしていきましょう。

扶養控除という仕組みについて

配偶者以外の親族を扶養している場合、扶養控除が適用できます。ただし、どんな親族でも対象になるというわけではありません。イメージとしては、中学生までのお子さんは控除対象外、お金がたくさんかかるようになる高校生くらいから控除対象に含まれ、一番お金のかかる大学生のころはさらに控除額が上乗せされます。また、高齢者を扶養している場合にも増額がある、というように理解しておけばよいでしょう。

扶養親族の範囲

扶養親族の範囲は、次の4つです。なお、ここでは国税庁ホームページに掲載されている情報を一部意訳しています。詳しくは国税庁ホームページをご参照ください。

  1. 配偶者以外の親族等
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 年間の合計所得金額が38万円以下であること
  4. 自営業者の手伝いをしている親族として賃金をもらっていないこと等

ここで注目をしておきたいのは3番です。年間の合計所得金額が38万円以下という数字ですが、学生さんがアルバイトをしているケースでいうと、年間の給与が103万円以下に収まっている必要があります。つまり、103万円を超えるアルバイト給与を受け取った時点で、扶養控除の対象者からは外れてしまうのです。俗に「103万円の壁」と呼ばれる制限額は、配偶者だけに関係するものではないということです。

年齢制限がある

すべての扶養親族が控除の対象になるわけではありません。控除の対象となる扶養親族は、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人に限られます。

実際の控除額

一般の控除対象扶養親族は38万円ですが、特定扶養親族は63万円です。特定扶養親族とは、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人のことです。また、老人扶養親族は48万円(同居老親等の場合は58万円)です。老人扶養親族は、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人のことです。

配偶者控除よりも制限が厳しい?

実はこの扶養控除、配偶者控除と比べても収入に関する制限が厳しい側面があります。配偶者の場合、給与収入が103万円を超えたとしても、まだ受けられる控除があります。配偶者特別控除と呼ばれる規定です。配偶者については、親族のなかでも特に経済的な共同体関係が強いことから、103万円を超えてもすぐに控除対象外にはしないこととなっています。

しかし、扶養控除についてはそのような配慮がありません。もし年間給与の金額が103万円を少しでも超えるようなことがある場合には、即座に控除対象から外されてしまいます。特に大学生のお子さんが対象から外れた場合には、その影響が非常に大きいです。63万円という所得控除額は、税率が低くても数万円、税率が高い場合には20万円を超えるような影響が出ることもあります。

遊ぶためのお金が欲しい。学費の足しにしたい。学生さんがアルバイトをする理由はさまざまです。ただ、もし親御さんに扶養されながらアルバイトをしているのであれば、103万円という数字は強く意識しておいたほうがよいでしょう。

もし103万円を超えてしまったら……

仮に学生アルバイトで103万円を超えるような給与収入を得た場合、次のような影響が出てきます。

  • 扶養している親族の側で扶養控除が使えない

先ほども触れましたが、特に大学生くらいの年頃に該当する場合、63万円という大きな控除を失うことになります。

  • アルバイトをしている人にも納税義務が出てくる

学生さん本人の側にも、納税義務が生じます。このとき、もし学生さん本人が勤労学生に該当する場合には、勤労学生控除という制度を利用することもできます。わずかな額ではありますが、学生さん本人側の納税額を軽減することができます。

なお、勤労学生控除はあくまでも学生さん本人側で適用するもので、親族には関係がありません。それほど大きな効果が期待できるものではありませんので、注意が必要です。

目安は給与月額8万円!!

扶養親族から外れた場合、所得税だけでなく住民税にも影響が出てきます。

ギリギリで調整をすることで控除に関するトラブルが生じることは珍しくありません。一つの目安としては、アルバイト収入は月額8万円(年間で8✕12=96万円)くらいまでを上限にしておくと、無用なトラブルは避けられるでしょう。

まとめ

納税者が配偶者以外の親族を扶養している場合には、扶養控除を適用することができます。ただし、どのような親族でも適用できるわけではなく、年齢や同居・非同居といった扶養親族の状況によっても控除額が異なります。

金額に関する制限は厳しく、特に大学生くらいの年齢で控除から外れた場合、その影響は非常に大きいものがあります。なお、学生自身に納税義務が生じた場合には勤労学生控除という制度も利用できますが、それほど大きな効果はありません。

学生の場合、月額給与の目安を8万円と考えておけば、トラブルになることは少ないでしょう。

文:高橋昌也(税理士)

参考:

  • 国税庁|税について調べる|タックスアンサー|所得税|所得金額から差し引かれる金額(所得控除)|No.1180扶養控除
  • 国税庁|税について調べる|タックスアンサー|所得税|所得金額から差し引かれる金額(所得控除)|No.1175勤労学生控除

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