エコカー減税、自動車税はどうなっていく?

今やすっかりおなじみとなったエコカー減税。今回はその概要について把握するとともに、改正について確認していきましょう。

グリーン化税制?エコカー減税?

自動車に関する税制については、グリーン化税制とエコカー減税の2つの言葉が有名です。そこで、最初にこの2つの言葉について、その意味と概要について確認をしていきましょう。

  • グリーン化税制

平成13年度からはじまった制度です。環境負荷の軽減を主な目的として導入されました。一定の環境基準に適合した新車を購入した場合、翌年の自動車税が1年間限定で減税されるという制度です。

その一方で、環境負荷の高い車については税金を重課する仕組みがあります。13年を経過したガソリン車・LPG車や11年を経過したディーゼル車については、毎年の自動車税や車検ごとに支払う自動車重量税に対して10~15%の重課がされます。なお、今回の改正で適用期限を延長する予定です。

  • エコカー減税

平成21年度からはじまった制度です。リーマンショック後の販売不振を払拭するために時限措置として導入されました。その後延長が繰り返されています。自動車購入時にかかる自動車取得税と自動車重量税が減税されるという制度です。

エコカー減税に該当する車を購入すると、結果的にグリーン化税制にも該当していることが多いです。厳密にいえば基準が異なりますが、環境基準に適合した車を購入すると、購入時の税金が安くなり、さらに翌年の自動車税も安くなる、と考えると理解しやすいでしょう。

平成29年度の改正について

発表された税制大綱において、以下のような内容が明らかになってきました。

  • グリーン化税制について

重点化を行ったうえで、適用期限を2年間延長することになります。元々はグリーン化税制も時限措置だったようですが、環境負荷軽減を目的とすることから延長を繰り返しています。軽課だけに目がいきがちなグリーン化税制ですが、年式が古い自動車に関する重課の存在はかなりのインパクトがあります。

  • エコカー減税について

対象となる車について、評価基準が全体的に厳しくなるようです。ハイブリット車や電気自動車といった環境負荷の低い車については減税幅が据え置きとされる一方で、ガソリン車やディーゼル車などの旧来からの自動車については、対象から外れたり、減税額が縮小されたりするものが出てきます。現行では新車のうち9割が該当するというエコカーについて、その対象を8割程度まで引き下げることが見込まれています。一方で、自動車重量税について旧来型のガソリン車に対する一定の配慮が盛り込まれることも予定されています。

なお、エコカー減税は平成30年度改正でより基準が厳しくなる予定です。新車のうち7割程度が該当することが見込まれています。ハイブリット車のなかにも、適用対象外や減税幅の縮小といった影響が出てくることが予想されています。

より高い環境基準を目指す方向へ……?

今回の改正をみる限り、自動車に関してはより環境を重視した税制に向かっていくことが予想されます。ただし、エコカー減税については、これまで適用基準が緩すぎたという批判を受け、今回の改正では基準を厳しくする方向へと舵を切っています。

自動車を利用するということに関していえば、使いやすいレンタルサービスやカーシェアリングの普及が進んでいます。自分の利用状況に応じて、購入することが本当に適切なのか、よく検討することをお勧めします。

自動車販売そのものに関していえば、世界的な情勢を無視することができません。アメリカのトランプ新大統領は、オバマ氏が導入した環境負荷基準に関しては全面的に撤廃すると宣言しています。当然、自動車に適用される環境基準についても影響が出てくるでしょう。

また欧州では、これまで比較的環境に配慮した経済活動を行っていました。しかし、度重なる政情不安や経済危機、移民問題などを背景に、各国では保護主義的な言動が目立つようになってきました。保護主義の台頭によって自国の経済的利益のみを求めるようになれば、国によっては環境基準を単独で引き下げるということもあり得ます。

日本の税制も、世界情勢の影響を逃れることはできません。自動車に関する税制がどのような方向に向かうのか、今後は世界規模の変動による影響を受けることが予想されます。

まとめ

一般的になったエコカー減税とグリーン化税制。これまでは比較的基準が緩いものでしたが、高まる環境への配慮を背景に厳しくなる方向へと向かっています。

今後は、自動車の利用について、自分に適した方法を選択することが重要となるでしょう。自動車販売そのものについては、激変する世界情勢のもと、技術的な面に関しても影響を受けることが予想されます。国内税制も含め、その動静が注目されます。

文:高橋昌也(税理士)

参考:

  • 財務省|税制|毎年度の税制改正|税制改正の概要|平成29年度税制改正の大綱の概要(PDF)

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