ビットコインに消費税がかかっていた!税制改正で消費税は非課税に

ビットコインといえば、ここ数年で仮想通貨としての知名度がぐんぐん高まっています。ところで、皆さんはビットコインを購入する際、消費税が課されているかどうかご存じでしょうか? 実は、これまで、ビットコインを購入するには消費税がかかっていました。それが、今回の税制改正で消費税が課されないことになります。その背景について学んでいきましょう。

そもそも消費税の課税範囲は?

まず、消費税の課税対象について考えてみましょう。

  • 消費に対して課されるもの

当たり前のことですが、消費税は「消費」に対して課されます。その負担者はその消費をする人、つまり私たち消費者です。

  • 国内において行われるもの

日本の消費税ですから、日本国内において行われる消費に課税されるというのは当然です。ただし、この点についても、最近では問題が増えています。ITサービスのなかには「どこが消費地なのか?」という点について判断が難しいものが多いためです。これに関する改正も進んでいますが、今回のお話とは筋がずれてしまうので、ここまでにしておきましょう。

  • 事業者が事業として対価を得て行うもの

事業、つまり商売として行われたものでなければ課税対象とはなりません。これは、一般人同士で資産の売買をしたときには、消費税が課税されないということです。また、寄付やボランティアといった無償の行為についても、消費税は課されません。

  • 資産の売買、貸付けおよびサービスの提供

何かしらの物体がやりとりされる、または、サービスの提供が行われることで課税がされます。

こうして分解すると、実は消費税を課するのに適していないものがあることが分かります。

消費税が非課税とされるもの

商売として行われた資産の譲渡、サービスの提供などであっても、さまざまな理由から消費税が課されないものがあります。

  • 消費しているとは言い難いもの

土地の売買や貸し付けを考えてみましょう。土地は利用することはできますが、消費することはできません。つまり、「消費することに課税をする」という消費税の課税には適していないことが分かります。したがって、土地の売買や貸し付けには消費税が課税されません。

また、有価証券の売買、小切手、銀行での両替はどうでしょう? これらのやり取りでは、確かに資産の受け渡しが起こっています。しかし、渡したものも受け取ったものも限りなく金銭に近いもの、あるいは金銭そのものといえるものです。10,000円を小銭に両替し、それに対して消費税を課されてしまったらどうでしょう? 納得出来ないのではないかと思います。したがって、このような現預金に限りなく近いもののやり取りについても、消費税は課されません(ただし、両替や購入にかかる手数料については消費税がかかるものもあります)。

  • 政策的に好ましくないもの

お役所や税務署で何かしらの証明書を出してもらう場合、発行手数料がかかります。これは証明書を出してもらうサービスに対する対価です。しかし、このような公的サービスに対して消費税を課することは、法律の理屈からすれば正しくても、政策上は好ましいとはいえません。そのため、このような公的な意味合いの強いサービスの提供については、消費税を課さないことになっています。

お役所の手数料が一番わかりやすいですが、それ以外に身近なものとしては居住用住宅の家賃が挙げられます。住まいの確保は人間的な生活をするうえでの必須条件です。そのため、居住用住宅の賃借料には消費税が課されないこととなっています。

このように、消費税は経済活動の実態や政策上の理由を検討しながら、課税対象を決めています。

ビットコインを「支払い手段」として認定した

今回、ビットコインを消費税の課税対象から外すということは、ビットコインを支払い手段、つまり「現預金と同じようなもの」として認定する、ということを意味します。これまでのビットコインは、単なる商品の売買として取り扱われていました。ですので、その購入には消費税がかかっていたのです。

しかし、現在の流通や利用の状況を考えると、そろそろ現金と同じようなもの、つまり「お金」として認定したほうがよいのではないか、と判断されたというわけです。お金でお金を買う、つまり両替をしたようなものだから、その行為に対して消費税を課するのはおかしい、という理屈になります。

新しい時代の新しい通貨が法律的に認定された、と考えると非常に面白いお話ですね。

まとめ

消費税の課税対象は、事業者が事業として行う資産の譲渡、サービスの提供です。また、一部の譲渡やサービス提供は、その実態や政策上の配慮から課税対象から除外されています。ビットコインをはじめとする仮想通貨の売買は、支払い手段、つまり現金等価物のやり取りをしているものと考えられるため、消費税の課税対象から外されることになりました。

文:高橋昌也(税理士)

参考:

  • 消費税のしくみ|国税庁
  • 非課税となる取引|国税庁
  • 「平成29年度税制改正(案)のポイント」(平成29年2月発行)|財務省

関連記事