学資保険を名義変更すると、贈与税がかかってしまう?

200万円の学資保険が満期になったので、子ども名義に変更しようと思っています。名義変更すると、贈与税がかかるのでしょうか?

学資保険とは

学資保険とは、子どもの入学や進学に合わせて祝金や満期保険金が受け取れる保険のことです。一般的に親が契約者、子どもが被保険者になって契約します。保険金の受取人は親または子どもです。最近は、祖父母が孫のために学資保険を契約するケースも増えています。

教育資金の積み立てとともに、親の死亡保障や子どもの医療保障なども学資保険でカバーできます。もしものことがあっても、教育資金を確保できるのは学資保険ならではといえるでしょう。しかし、保障が充実していればその分、返戻率は下がります。早く始めるほど安い保険料で始められますが、何を重視するのか、よく検討して加入することが大切です。

保険の名義変更で贈与税はかかる?

学資保険が満期になり満期保険金を入学資金に充てる場合が一般的でしょう。文部科学省「私立大学等の平成26年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学ですと初年度で約130万円もかかります。そうなると、長年積み立てた学資保険は心強い味方ですね。

しかし、幸いにして、このお金に手をつける必要がなければどう考えるでしょう。子どものために積み立てたお金だから、今度は子ども名義にして、将来本人に有効に使ってほしいと考えるかもしれません。

保険金を受け取った場合の税金を考えてみます。保険料を負担した親が満期保険金を受け取れば、所得税がかかります。満期の保険金は「一時所得」となりますが、あくまで税金がかかるのは払い込んだ保険料と受け取った保険金の差額、つまり得した部分だけです。

一時所得は50万円の特別控除や1/2課税などの優遇措置がありますし、学資保険はその性質上、子どもの成長に合わせた保障が充実していますから、返戻率は高くないのが一般的です。つまり、親が学資保険の満期金を受け取っても、所得税がかかるケースは少ないといえます。

仮に、保険契約の途中で名義変更した場合はどうなるのでしょうか? 生命保険契約の契約者を変更しただけでは、贈与税はかかりません。贈与税がかかるのは、保険料を負担していない人が保険金を受け取った場合です。

ですから、満期保険金の受取人が子どもであれば、子どもに贈与税がかかることになります。それでも暦年贈与の基礎控除額は110万円ですから、年間の受け取った保険金が110万円以下なら贈与税はかかりません。

学資保険が満期となり、満期保険金を資金として新たに子ども名義で保険を契約した場合も同じ理屈です。保険金相当の資産が子どもに移転したわけです。その金額によっては、贈与税がかかる可能性がでてきます。

まとめ

生命保険契約の保険金を受け取った場合には、保険料の負担者、保険金受取人が誰であるかにより、所得税または贈与税がかかる可能性があります。

学資保険の祝金や満期保険金は、保険料を負担した親が受け取り、そのまま子どもの学資に使われる場合がほとんどです。つまり、ここで課税の心配はさほどありません。もし、学資をほかで用意でき、満期保険金を純粋に子どもに渡したければ、贈与税の心配が必要です。

親子間の贈与には住宅取得等資金、教育資金、結婚・子育て資金などについての優遇措置があります。上手に使えば、非課税で子どもに贈与できます。子どもが幼いころから積み立ててきた大事なお金です。できれば税金の負担なく子どものために使えるよう気をつけておきたいものです。

文:川﨑由紀子(税理士)

参考:

  • 国税庁|税について調べる|タックスアンサー|贈与税|贈与と税金|No.4417 贈与税の対象になる生命保険金

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